多摩川住宅建替え

ニ号棟 年度内に事業協力者選定/ト号棟 来年度の募集目指す/多摩川住宅建替え/管理組合
[ 2017-11-20 4面 ]

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19棟820戸のハ号は多摩川団地で最大規模を誇る。ホ号棟とともに事業協力者は選定済みだ
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多摩川住宅の位置と全体配置図
 東京都調布、狛江両市にまたがる多摩川住宅で、東京都住宅供給公社の分譲住宅を対象に、建て替えに向けた動きが進んでいる。既に事業協力者が決まっている「ハ号棟」「ホ号棟」に次いで、「ニ号棟」は事業協力者選定に向け、2017年内にディベロッパー意向調査を行う。年明けに参加希望者とヒアリングする考えで、15者程度を想定している。今年度内に選定、18年5月の総会承認を得て、事業協力者を決める予定だ。19年度の建て替え決議を目指す。「ト号棟」は18年度に事業協力者を公募したい考えだ。両棟とも建て替え基本計画案に対する住民の賛成も多く、気運が高まっている。【ハ号棟 1年以内に共有地分割/ホ号棟 建て替え決議を控える】


 ニ号棟は15棟522戸で、総延べ約2万6600㎡。事業協力者選定と並行して、狛江市に「住宅再生地区」への地区計画変更を申請する。建て替え決議後、20年夏以降の権利変換計画認可を経て、21年度に建物解体と再建マンション着工、23年度の完成を目指す。
 ト号棟は12棟326戸で、総延べ約1万6600㎡。意向調査を実施した再開発コーディネーター協会法人正会員で、首都圏に建て替え実績を持つディベロッパーの中から数社を絞り込み、参画条件など意向確認について再度ヒアリングしている。ト号棟団地管理組合は「熟度が高まり次第、調布市に住宅再生地区を申請したい。時期は未定だが、事業協力者が決まることが条件」という。
 ハ号棟は19棟820戸で、総延べ4万7021㎡。新棟は、5棟1490戸程度を見込む。事業協力者として野村不動産・東京建物・旭化成不動産レジデンスJVが参画し、コンサルタントはURリンケージ、設計・監理はネクストアーキテクト&アソシエイツが担当している。
 URリンケージが区分所有法に基づく土地所有形態の整備を進める。1年以内に共有地分割の手続きを終える予定だ。合意形成後、管理組合の解散と再組成、住民説明会を経て、3年以内の建て替え決議、権利変換計画の認可を目指す。その後3年をかけ、現団地の解体と建設工事を行う。
 ホ号棟は11棟380戸で、総延べ2万9213㎡。事業協力者として参画する住友不動産・長谷工コーポレーションJVが提示したプランでは、新棟は900戸程度を想定する。設計は、長谷工コーポレーションが担当している。10月中旬に区分所有者への個別面談が終わり、建て替え決議前の状態だ。ホ号棟管理組合は「できるだけ早く、建て替え決議が取れるように住民への説明を丁寧に行っている」という。
 多摩川住宅(調布市染地3丁目、狛江市西和泉1、2丁目)は、敷地約48.9haに、1966年から68年にかけて建設した同公社の賃貸住宅「イ号棟」「ロ号棟」と分譲住宅ハ、ニ、ホ、ト号棟、92年竣工のソシア多摩川(40戸)の計88棟3914戸。解体中の公社賃貸住宅「ロ-16号棟」跡地には、生活協同組合コープみらいと大和ハウス工業のグループが事業者となり、商業施設を建設する。19年度に着工、20年度の開業を目指す。
 また、各管理組合などによる協議会では、地区計画のほか、デザインや色合いなどまちづくりのルールを定める景観会議を進めている。